沙門の道

2019年8月22日

東京に出てから檀家寺のようになってもらっているお寺さんがあります。
その土地の檀家さんも多く、経済的もうまくいっているようで鷹揚な人柄がその住職です。
宗派は浄土真宗なので有髪のお坊さんです。 法要をお願いしたりしておりますので、なにかと尋ねてそのご住職とお話することもありました。
そこで、全ての信者は念別唱えれば極楽浄土へ、っていうのが浄土系の基本ですが、”いや、それが宗門の教えで反論できないけど、実際、葬式とか法要とかの場合に”出る”しね。 これが認めない、と立場上言わなきゃならんし ”とぽろと漏らされていたりしております。
ちなみにこれが、”崇高なる理論と俗なる現実”の一局面だな、と現在の課題を思いだしたりしております。

そして知識も邪魔をして、浄土系のお坊さんは有髪だし、結婚は堂々とするし、酒は飲むし、実際戒律はあるのやらないのやらと、ちょっと違うなあ、それに、坊主は禅宗か真言なぞが坊主らしい、とかうちのばあちゃんも言っていたしなぁ、とかいささか批判めいたい事を思ったりもしておりました。 (実際は修行があるはずです。)

そんな時に、そのお寺から郵便が。 中身は、”布施?”とか思ったりしましたが、写真集でした。 なんだろう? と見ていきますと、御釈迦様の誕生地や初転法輪、霊鷲山などなどの写真とコメントがあるものでした。
そう、ご住職がインド、ネパールに仏績をたどる旅をされたその写真をまとめた写真集なのでした。 これは素晴らしい、と感動しつつ最後のページに行くと、そこには、まさしく沙門(サモン、インドのお坊さん)の姿で、右肩を出し、(糞尿)衣をまとって、完全剃髪し万面の笑みで座禅を組んでおられるご住職の姿がありました。
ああ、この方もまさしく仏弟子であられた、と日頃の不明を深く愧じたのでした。

でも私も一度は行ってみたいぞ、ルンビーニ、ブッダガヤ、サルナート、クシナガラ・・・