御伽草子と卒業式 君が代

2019年8月22日

少々時期が外れますが、学校の卒業式で自らの国歌斉唱をしないという教師と生徒がいると言うのは考えさせられます。
日本の国歌は平和的だというのことで、一寸知っていることを思い出しました。 そもそも、”君が代の”歌詞の背景とは?

背景としては、薬師如来、長寿の薬、姫、不老不死という単語が出てきます。
それは、『御伽草子』の中にでてくる「さざれ石」というお姫様の話がでてきて、このお姫様はなんと800歳まで生きて居たそうな。 そのお姫様は、第13代の成務天皇の末っ子であって、「さざれ石の宮」という名前だった。 (因みに、天皇と薬師如来の強い関係を重視するような歴史的な見方も当時あったようです。)
昔のことなので、結婚がはやくなんと14歳で嫁ぎ、幸せだったそうですが、世を愁うようになり、仏道を進みたいと考えるようになったと。
そんな時、天からある人物が降りてきて、薬師如来の使いと自らを名乗った。 薬師如来といえば病気治癒や現世利益の仏様であって、その左手には薬瓶を持っておられます。 そして、その使いは、薬壷をさざれ石の姫に渡したところ、姫はその薬を飲み干したそうな。 そしてとても美味しかったと。 そしてその壷の上には、『君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりてこけのむすまで』、と白い字で書いてあったと。 尚、薬はアムリタというものを連想します。
その薬の効果でしょう、姫は全然年を取ることをせず美しいまま800歳まで生きて、名前も「いわおの宮」と呼ばれるようになったそうな。
さらにこの話に続きがあり、ある日使いがまたやって来て岩の宮に言うには、「もうこの世は良いだろう、浄土こそ往くべきところであり美しく悩みも憂いも無い」、と言うことで一緒に天に上っていったと。

よって、君が代は全体を通してみて、仏の力があったとしてもモデルである細石が巌となって苔がむすまで長い間健康で美しくあったように、皆も健康で世の中が平和でありますようにという意味です。天に上っていったという件の理解がやや悩ましいですが、いずれにせよ、戦争賛美とか力こそ正義である、とは何処にも無いですね。 だから昔は意識が高かったということになるのでしょうか。
そして800と言う意味が、8が今のこの世の仕組みで100というのがとても長いと言う意味であるのかな、と考えたりします。