統合と健康一番 追加

2019年8月22日

 
”マリアの法則”とは、そうですね、なんかどきどきする名前です。しかし法則というより公理と言った方が良かったです。これは、まず幾つかのキーワードをまず考えておく必要があります。 それらは、”全体”、”完全”、”心の構造”、”抑圧”、”明らかになった1~3”、”意識と無意識”というものです。
なにか推理小説みたいです。 とまあ、よけいなことは言わないで進めますと、 心の活動の諸相において、各機能である、”直感”、”思考”、”感情”、”感覚”があるとユングは言っています。 そして、心の構造において、常にそのうち3つは顕在的に機能するが、4つ目は意識下に埋没したり抑圧されたりしています。 その抑圧または未発達部分が心、または人間としての統合的な発展を阻害する。 よって、その活動したいのに活動できない(人格があるようです)機能を意識上に引き上げることにより全体が完成します。 この4つの機能がそろうことを、抽象的でありまた象徴的に”4”という数字を使うわけです。
そして、前置きが長くなりましたが、錬金術を学んでいたユングはこの全体や完全を意味するところの”4”という神秘的な数字を、錬金術での中心的な公理である、と考えました。 これこそが、”マリアの公式”です。
文字で表わすと、「一はニになり、ニは三になり、第三のものから第四としての全きなものが生じる」という、なにか預言書にあるような文句です。
いろいろ考えて感じてもらいたいですね。そして、父性のみを訴えて母性を弾圧しようとして昔大失敗したキリスト教世界での母性の発見こそ、マリアの公式ではないかと言うのは私の考えです。
父と子と精霊が1から3であり、この場合抑圧されたのは母性でしょう。 この母性が4なるもの。 地母神、聖母というのはキリスト教において足らざる機能である、この4の事でしょう。 でも母性が原初というのは感覚的に正しいはずです。 この辺りはもっと考えます。